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「先行生産技術の開発」

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2009.12.25

先行生産技術開発の推進
1. 開発生産統合推進計画とその展開

先行生産技術開発の基本は、PDCAを回すことにある。

プランとしての要素に製品・生産マスタープランがある。先行生産技術の開発はコンカレントエンジニアリングを効果的に推進するための前提条件であり、その具体的展開として製品・生産マスタープランの位置づけについても述べて きた。商品開発においてコンカレントに推進するためには、製品技術開発と生産技術開発が有効に同期して推進されることが重要で、商品開発のマイルストーンを明確にして、そのマイルストーンまでに双方が何をいつまでに具現化し ていくのかを明示した統合推進計画が必要である。

実行段階で重要になるのが生産技術として日常の業務の他に先行生産技術の開発業務に工数を掛けることである。ともすれば目の前の日常業務に忙殺され、先行開発に時間が使えなくなってしまいがちだが、先行生産技術の開発を計画 通り推進するためにはそのための工数を確保することが必要である。「プランを立て」て、後は「頑張れ」だけでは実行できない。プランを実行するための「人・もの・金の準備と支援」が重要なのである。

実行の後はチェック、すなわち進捗確認になる。この進捗確認を有効に機能させるためには計画を理解して全体を牽引するプロジェクトマネジメントが有効である。全体を統合するプロジェクトリーダーやサブリーダーが、統合計画やそれぞれの部門の進捗を確認する仕組みや運用ルールの構築が必要だ。

そして最後に、進捗状況をフィードバックすることにより、目標達成のために進捗や中身のレベルを向上させるアクションとなる。開発と生産が統合した計画を実行していくためには、それぞれが仕事を着実に推進し、貢献しあうこ とによって、双方の検討レベルがあがるような展開ができることが望ましい。このPDCA サイクルを回すことが先行生産技術の開発には必要不可欠である。

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先行生産技術開発の推進
2. ローリングの必要性

先行生産技術の開発を進めるために重要なのはPDCA を確実に回すことだと述べてきた。場合によると、計画実行段階で課題が発生しその解決に時間を要して、計画を変更しなければならないことも起こってくる。また、一方で外部環境の変化、たとえば法規制の変更や予想外の競合企業の動き、新たな素材や工法の出現等、当初の計画立案時の前提と異なる条件が発生してくる場合もある。

このような場合、状況に応じて計画をタイムリーに変更することが必要になる。変更にあたっては、変更の意思決定者や変更内容を審議する場の設置、その内容を周知徹底する方法……など計画をローリングする仕組みが必要になる。

計画立案や進捗管理の仕組みはあるが、予想外の問題が発生した場合などに対応するローリングの仕組みを持たないケースも多い。計画立案とローリングは表裏一体のものであり、その仕組みを持つことは不可欠である。

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先行生産技術開発の推進
3. 設備メーカー、サプライヤーとの協業

新たな工法や素材の開発、システム開発は先行生産技術開発の重要な要素である。これらをすべて自社内で開発できればよいが、技術が高度化し、範囲が広くなってきている現在、すべてを自社内で行うことは難しくなってきている。

自社内の閉じた取組みだけではなく、外部を巻込んだオープンな取組みが有効である。新たな工法開発や設備を開発するためには、設備メーカーと開発段階から設備の構造や機構、性能レベルについて双方向で検討していくことが有効である。また、これらの検討の過程で見えてきた特許などの権利についても検討が必要になってくる。信頼関係を構築するための施策検討も重要である。

一方、製造過程で必要となる新材料や、製品に使われる素材開発についても開発段階から一緒に検討し、ブラックボックスにならないような検討が求められる。協業のレベルをどのような状態にするのかを開発上流段階から明らかにして展開することが有効である。オープンなスタンスを前提にし、協業するメーカーの選定と協業するための契約内容の検討が重要となる。

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ものづくりで、前人未踏の地を開拓する

ものづくりは、研究開発というシーズ、あるいは市場のニーズに端を発して、企画─開発─設計─生産技術─調達─製造─販売を経由し、市場へと流れ着く大河に形容される。

いくつもの源流から多くの川が流れ込み、激しくぶつかる岩があり、淀む渕があり、また、時には予想もしなかった大雨に濁流となってあふれ出ることもある。そんな大河が、無事に大海に注ぐように、環境の変化に機敏に対応して流れを管理する役割……それが生産技術の機能である。

さまざまな要素から成り立つ“ものづくりSCM”のなかで、開発・設計という上流と、製造・販売の下流を結びつける結節点で、潤滑油の役割を果たし、構成要素全体で最高のパフォーマンスを発揮できるようにすることが、与えられた課題である。先進的な開発・設計の意図を受けて、先進的なQCDを実現する……生産技術の巧拙が、ものづくりの巧拙を決定する。

環境の変化は激しい。

ものづくりという面で、いまわが国は、世界最高の人件費という逆境の中にある。こうした環境の中でものづくりを続けるという、いわば前人未踏の地に足を踏み入れたのが、日本の製造業なのだ。それを実現できるかどうか……それが生産技術部門に問われている。

先進的なものづくりを実現するために、生産技術は臆病であってはならない。将来を見すえたロードマップを描き、勇気を持ってことに当たろうではないか。

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