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「先行生産技術の開発」

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2009.10.27

生産技術開発の重要性
1. 生産技術部門に求められるものが高度化

現在、生産技術開発に求められるものは、顧客の要求品質をタイムリーにつくる、グローバル同時生産を可能にする、他社ができない独創的なものづくりをする……など、多岐にわたり、高度化してきている。

これらを実現するためには、設計構想段階でカスタマイズ要求への対応策の検討、生産の中で品質作り込み施策・評価設備・検査機器の検討、さらに、顧客の要求にタイムリーに応える生産方式や共通部品化・段取り改善等も必要だ。また、海外工場での生産準備や生産移管への対応もしなければならない。さらに世界各地と連携したものづくり情報の一元化や、商品開発段階におけるグローバル拠点を巻込んだ検討も必要になってきている。生産現場における情報のデジタル化も不可欠といえよう。

他社ができない独創的なものづくり、工法や設備のブラックボックス化は、生産のみならず事業を展開していく中で大きな武器になる。生産技術の重要な仕事である。特許を取得して守る技術とブラックボックス化して門外不出にする技術を明確に区分することが大切だ。

このように生産技術業務は多岐にわたり、レベルも高度で複雑化してきている。単に工程設計や生産準備・現場改善だけではなく、自らがものづくりに対するビジョンと方針を明確にして計画的に推進していくことが必要である。

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生産技術開発の重要性
2. コア技術の認識と技術ロードマップ

先行生産技術を開発するためには、まず自社の技術を明確にする必要がある。図表3-4にコア技術の認識イメージを示している。

自社のビジョンは何か、そのビジョンに基づき、どのようなドメインで事業を展開しているのか、また、そのドメイン、顧客に価値提供をするためにどのような技術領域のどんな技術を適用しているのかを一度整理してみることが必要である。図表3-4は生産技術に限って整理したものではないが、製品技術を含めてこのように整理することは、コア技術を認識するうえで有効である。 先行生産技術を開発するためには、

・現在の自社のコア技術を明らかにすること
  ・今後どのような技術開発テーマが必要になるかを明らかにすること

が必要になる。今後の技術開発テーマを設定するためには図表3-5に示すような技術ロードマップの展開が有効である。 技術ロードマップは商品を開発するうえでベースとなる計画である。まず、対象とする市場が今後どのようになっていくのかの動向を把握する。市場動向は市場環境や法規制のトレンドを見ながら今後の兆しを把握していく。

市場動向を把握しながら、その市場における顧客のニーズを把握することが必要になる。市場環境の変化や競合他社の動向、法規制から顧客が何を欲しているのかを明らかにして、製品ラインナップ計画を明確にすることが求められる。

また、商品に適用する各種デバイスの開発動向を見極めておくことも重要である。デバイスの中にはショートレンジで機能、性能が進歩していくものがある。これらの動向を見誤ると商品自体が陳腐化する可能性もある。

そうした動向を見極めながら、商品計画を明確にして、それらを具現化するための技術開発テーマに落とし込むことが求められている。技術開発テーマの中には新たな機能、性能を具現化するための製品技術や、工法開発、設備開発に関連する生産技術の開発テーマもある。また、測定技術や評価技術も存在している。人材の採用や育成計画も同時に展開することが必要となる。

さらに技術ロードマップを検討する際は、事業との関連や人材も含めた開発基盤との関連も重要になってくる。

図表3-4 コア技術の認識

図表3-5 技術ロードマップ

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生産技術開発の重要性
3. 技術ポートフォリオ

技術ロードマップの検討で、技術テーマを設定する際に、今後必要とされる技術テーマの位置づけを明確にすることも重要である。抽出された技術テーマが将来的にどの程度重要なものなのか、また、その技術テーマに求められるレベルはいかなるものなのかを明らかにして検討をするうえで有効な方法としてポートフォリオと呼ばれるものがある(図表3-6)。

ここでは中期レベルの検討と長期レベルの検討の2つが考えられる。 
中期レベルの検討に際しては、必要とされる商品ラインナップに対して求められる技術テーマを明らかにして、その技術テーマが、

・横軸:商品開発、市場にとって重要度が高いか/低いか、
  ・縦軸:現在、競合に比較してどの程度の技術水準にあるのか

を明らかし、重要度が高いが技術水準が他社並みあるいはそれ以下のテーマは、優先順位が高いテーマとして、技術開発計画に位置づけていく。また、長期的に検討する技術テーマについては、横軸に技術の成長性をとってみるとよい。

図表3-6 技術ポートフォリオ

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生産技術開発の重要性
4. コンカレント型開発

図表3-7は源流段階で立案した構想をベースに商品開発のフェーズでコンカレントエンジニアリングを展開するポイントを示している。

ポイント1では開発の各フェーズで目標に対するギャップが常に見えるようになっていることが重要なことを示している。
 ポイント2では開発の状態が見えるような環境のなかで、進捗を管理する場やローリングする場を設定することが必要であることを述べている。
 ポイント3では、この場を活用して知恵を出し合い、ギャップを埋めるための方策を関連部門が抽出することの必要を示している。 
 ポイント4ではコンカレントな推進を牽引する推進責任者が必要であることを示している。一般的にはプロジェクトマネジャーやプロジェクトリーダーと呼ばれる人の設定が必要になってくる。

コンカレントエンジニアリングの推進で最も重要になるのが源流段階で行われる関連部門の事前知恵出し検討である。そのアウトプットを全体構想書と呼ぶことにする。プロジェクト目標達成に向けて関連部門が何をいつまでに、どのような形で推進していくかを明確にしたものである。この内容の充実度合いによってコンカレントエンジニアリングの出来不出来が左右される。。

全体構想書を作成するためにはそのための場や事前準備が必要で、生産技術の視点から考えると生産拠点構想や新工法・新設備開発方針、生産方式の将来構想等がなくてはならない。先行生産技術の開発が重要なのである。

図表3-7 コンカレント型開発

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生産技術開発の重要性
5. 生産技術開発とコスト開発の必要性

図表3-8は生産技術開発の必要性を位置づけたものである。

商品開発においては機能性能(品質革新)のための技術開発と、コスト革新のための技術開発が存在する。その技術開発のなかの生産技術面の技術開発を担うのが生産技術機能である。先行生産技術を計画的に開発することにより、従来受身型、請負型であった生産技術機能からの変革が求められることになる。

開発・設計部門が製品構造・方式検討を行う際に、生産技術機能から工法や生産システムに対する方針を提示することにより、商品開発のレベルアップや効率化が図られる。生産技術が先行的に技術を開発していくことが必要なのである。

商品開発において目標利益を達成するためには、製造ロスの削減や改良だけでは不可能で、製品構造を革新するための技術開発と生産方法を革新するための工法開発が相乗効果を生むような展開が求められている。

品質革新、コスト革新を実現するための製品技術、生産技術革新を統合的に推進していくことが求められているのである。

図表3-8 生産技術開発とコスト開発の必要性

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