- 「計画生産、同期生産を強化するグランドデザイン」
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2009.11.25
第四話:計画とは常に変わるものとして付き合うことです。
「二之宮さん、大変です! 梅田課長が・・・・!!」
普段は冷静な工務課の南竹子が、緊急事態といった様子で駆けつけてきた。今週分の生産もほぼめどがつき、一息していた金曜の午後2時ころのことだ。同期入社で営業の梅田が、どうやら現場でまたいろいろ指示をしているらしい。彼は、得意先の新規開拓などが評価され、この夏に課長に昇格したのだ。社長からの受けは抜群によい。
南竹子の話によると、午前中に完成した来週月曜朝の出荷予定の製品NK-087-7823を2000個、これから急きょ林工業向けに一部手直しを行い、夕方5時には出荷しろというのだ。二之宮には事前に話はしてあると言っているそうだ。NK-087-7823は製造に3日かかり、いま2000個抜かれると、納期に間に合わない。冗談じゃない!
現場に行くと、案の定、作業者たちは困惑した表情を二之宮に向けた。二之宮の姿をみるやいなや梅田はこう言った。
「おい、二之宮、林工業のP202-7823の注文2000の生産分、いまさっき手配したぞ。今日の5時の便に間に合わせてくれ! あそこが今週から増産になって、この週末に2000必要になったのは、もちろん知っていたよな。」
そんな話は聞いていない。二之宮は、得意先からの内示情報は、到着のたびにチェックし、必要におうじてかんばん数や生産の優先順位などを再設定している。林工業の今月分の内示情報も特に大きな変化はなかったはずだ。
「内示情報じゃない、計画情報だ。林工業からは、毎週、具体的な生産計画数を受け取っているだろう! 確かに、1か月前にはなかったが、2週間前の計画では、ちゃんと2000となっている。確かに、内示とちがい、計画はたまには変わるのだが、変わらない限りは確定なのだ!」
なんという屁理屈だ! 変わらない計画ならば信用もするが、変わることが前提の計画など信用できるはずがない。変わらない限りは確定だ、などと開き直ったようなことを言う梅田に対し、二之宮はとことん腹が立ってきた。
・・・・・・・・・
結局、週末の2日間は休日出勤プラス残業となった。人の手配ができなかったので、二之宮も南竹子も、ラインに入って作業した。今回のことをまだ納得しきれない二之宮に対して、南は自分のほうから話を切り出すしかなかった。
「すみません、私がもう少し注意をしていれば、たぶん対応できたのかもしれません。これまでは他社と同じ形式の内示情報に計算しなおしていましたが、これからは、林工業からの計画情報だけは毎週チェックし、変更があった場合に、すぐに二之宮さんに連絡します。」
南竹子の話を遠くで聞きながら、二之宮はまだ、考えていた。頭の中が混乱している。ふと、誰か別の男の声が脳裏をよぎった。
「つまりは、将来のイベントに同期するということです・・・・。」(つづく)
<ここまでの登場人物>
二之宮太郎(主人公)・・・港町工場の生産管理担当主任。
入社10年目、現場の生産進捗管理をすべて仕切る。
米田賢治・・・昨年定年退職した二之宮の元上司。かんばんを利用した現場管理を徹底させた。
梅田大作・・・営業一課課長。多くの新規顧客を獲得して社内で高い評価。二之宮と同期入社。
南 竹子・・・工務課で主に資材調達を担当。入社5年目。数字に強く、いろいろと機転がきく。











