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「計画生産、同期生産を強化するグランドデザイン」

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2009.8.31

第一話:現場管理も大事だが生産戦略がもっと大事!

「“ジット”ばっかりだから、在庫がなくならないんじゃないですか?」

二之宮太郎(仮名)は、最初は聞かれている意味がわからなかった。“ジット”とは、言うまでもなくジャスト・イン・タイム(JIT)生産のことである。

「同期生産と、計画生産とをうまく組み合わせるのが“コツ”なんです。」

二之宮は、入社して10年目、今では、ここ港町工場の現場管理について、ほぼすべて任されている。昨年の秋に定年退職した米田から、現場管理のイロハについて、徹底的に叩き込まれた。

「二之宮さん、現場の改善活動では在庫はなくならないんです。無駄な在庫をなくすには、生産戦略を見直したほうがいいですね。」

二之宮は、先輩の米田が何度も繰り返し言っていたことばを思いだす。必要のないものは決して作ってはならない。お客様が要求したものだけを作るのだ。正しいか、正しくないかという問題ではない。これが、港町工場の歴史そのものなのだ。

「御社は、ここ数年で得意先が非常に多くなりましたね。たとえば昨年から取引が始まった林工業さんなどからは、けっこう大口の注文をもらっていますし。」

数年前に首都圏にあった工場を移転した林工業は、港町工場の得意先として徐々に存在感を増している。大口での注文をもらえる代わりに、利益率が極めて低いのが問題なんだと先日社長がぼやいていたのを思い出す。

「正直に申し上げて、このままだと、在庫はさらに増える一方でしょう。環境が変っているんです。いままでのやり方に固執していると、苦労ばかりで事態は一向に改善しませんよ。計画生産の導入について、すこし検討してみたらどうですか?」

計画生産とは、プッシュ型の生産だ。つまり、お客様からの注文がないのに作る、という方式ではないか! そんなことが港町工場において許されるはずがない。二之宮は、だんだん不愉快になってきた。環境が変っても、時代が変っても、変らないもの、変えてはいけないものがあるはずだ。

二之宮の内部には、もって行きようのない怒りと不満で満ちあふれていた。立ちすくむ二之宮のまわりには、もって行きようのない山のような在庫が、工場に満ちあふれていた。(つづく)。

図表-1) 計画生産、同期生産を強化するグランドデザイン

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