- 「設備保全が直面する課題とEAM」
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2009.8.31
設備保全にアセットマネジメントが活用される背景
近年、設備を有した自治体や企業を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。経済が低成長期に入って官民ともに経営状況は厳しさを増す一方で、マスコミや地域住民、株主など外部からの監視の目は益々厳しくなり、事業運営に対して経営責任を問われることも当たり前になっています。また、設備管理に目を向けると、高経年化や多様化、複雑化する設備に対応する維持管理費の増大や、高齢化するベテランから若い世代への技術伝承の問題など解決しなければならない課題が山積しています。
今日の設備保全は、設備の安定稼動を支えつつ、幾つもの課題にバランス良く対処することが求められています。この難題を整理して、解決するための仕組みとして、設備保全にかけるコストを最小化しながら効果を最大化するアセットマネジメントが注目されているのです。
設備保全は、設備のライフサイクルの一部です。ライフサイクルとは、設備の計画・企画から始まり、購入あるいは建設されて、運営・保全が行なわれ、最終的に廃棄あるいは売却されるまでのサイクルを指します。
設備保全のやり方によって、設備の稼働率が変り、収入に影響を与えます。設備保全による故障の減少や停止時間の短縮が、設備が稼働して得られる収入を増やすことになるからです。さらには、故障による事故を防止することで、利用者や従業員の安全を守るとともに企業全体のイメージを守ることにつながります。このように設備保全は経営に非常に重要な影響を与える一方で、専門的な技術の話が入り込むため、設備保全を経験していない経営層からは、その活動内容と効果が分かりにくいものになっています。保全のやり方によって、どの位設備や機械が壊れなくなるのか、経営と現場で共通認識にできる合理的な尺度がないためです。
アセットマネジメントでは、目標となる指標を作って、設備保全の計画や作業を実施し、結果を測定して計画と比較することにより、さらによい保全を行なうという活動を継続することを目指します。保全にかけるコストと効果を比較しながら、限られた予算の中で、優先度の高い保全を効率的に行なうことで、設備のライフサイクルを最大化しようとするのです。
経営と現場をつなぐエンタープライズ・アセットマネジメント(EAM)
EAMとは、経営者と保全現場が一体となってアセットマネジメントに取組み、意思決定と作業実施を繰り返しながら、より良い経営に導くためのマネジメント手法です。
EAMでは、設備保全に係るヒト、モノ、カネ、すなわち「保全要員」、「設備」、「資機材」、「保全作業」に係る情報を一元的に管理します。そして、それらをもとに保全作業の実績やその効果を集計し、必要であれば財務数値に置き換えて経営者に情報を提供します。もちろん経営者が設備保全の細部にまで立ち入る必要はありませんが、然るべき経営判断(アセットマネジメント)を行なうためには、このような設備保全の状況を適時に把握できる仕組みが必要ではないでしょうか。
EAMは資産・作業の管理を標準化し、今まで個別部門が管理していた保全管理を企業全体の重要なシステムへとその位置づけを昇格させ、プラントや工場など物理的な資産を総合的に管理する「リスクマネージメント」の基盤を構築するシステムになりうるものです。












