
2008年度 新入社員 「会社や社会に対する意識調査」結果の発表
資料配布先:東商記者クラブ
2008年04月24日
報道関係各位
社団法人日本能率協会
2008年度 新入社員 「会社や社会に対する意識調査」結果の発表
『安定優先・きずな型』新入社員 −将来不安の高まりで長期雇用志向が強まる−
日本能率協会(JMA 会長:富坂良雄)は、2008年度入社の新入社員を対象に意識調査を実施した。前回調査に引き続き、上司・先輩にも意識調査を行い、新入社員との意識のギャップを聞いている。
1.安定志向が強まる中、上司や先輩との“きずな”を求め社員旅行や運動会も歓迎
就職活動に臨む気持ちとして、「気に入った会社や仕事に就けるかどうかよりも、就職することを最優先」の割合が年々高まり、8割近くとなった(図1)。実際の就職活動では、「やりたい仕事ができる業種」を優先して会社を選んでいるが(図2)、「入社を選択した理由」は、「雰囲気がよい会社」(25.1%)を選ぶ傾向が強まっている(図3)。このことから会社へのこだわりよりも就職することを第一に考える安定志向がうかがえる。
また、上司や先輩が考える以上に、新入社員は「社員旅行」や「運動会」が上司や先輩との人間関係構築において有効だと考えており(図4-1:上司との関係、図4-2:先輩との関係)、就職した会社の雰囲気(風土)に早く溶け込みたいといった意識が感じられる。
その背景として、「10年後の日本社会は、よりよい社会になっていると思うか」の問に対し、年々不安が高まっていることが読み取れる(図5)。
超売り手市場といわれた2008年入社の新入社員。現在も有効求人倍率は増加傾向にあるにもかかわらず、昨今の企業業績の低下や様々な社会問題を目前にして将来不安は高まっている。それを反映してか、新入社員の意識は安定化傾向が進んでいる。また、こうした安定志向ゆえに上司や先輩と良好な関係を持ちたいと考えられ、社員旅行や運動会の人気につながっている。
2.専門性よりも、まずはマナーなど「基本」を学ぶことを重視する傾向が強まる
新入社員が3年以内に身につけたい能力・スキルとして、昨年と比べ、特に「ビジネスマナー」へのニーズが高まり、「専門的知識・技術力」を求める割合が低下傾向にある(図6)。また、新入社員の上司・先輩を対象とした調査においても、新入社員を育成する上で、「社会人としての基本を身につけること」が最も重視されており、双方の意向がほぼ一致しているといえる(図7)。
新入社員は、即戦力としての「専門的知識」よりも「仕事上の基本」を求める傾向が強まっている。長期的な視点で、自分自身の能力を高めたいという意識が反映されている。
3.早期離職対策として、「相談」ルートの仕組み化が“鍵”
新入社員が仕事や職場の悩みを相談したい相手として、「社外の友人・知人」(56.4%)、「同僚」
(54.0%)に次いで、「社内の先輩」の割合が高くなっている(47.3%)。一方、上司・先輩が「社内の先輩」と回答している割合は74.1%であり、新入社員の回答とのギャップが大きくなっている(差26.8ポイント)(図8)。
また、上司・先輩が考える「早期離職対策として今後実施したい内容」として、「定期的な研修」(33.3%)に次ぎ、「新入社員向けメンター制度」(22.2%)が挙げられている(図9)。
会社側としては、社内の先輩に期待し、さらにメンター制度などの仕組みづくりを推進していこうとしている様子がうかがえる。
新しい環境のなかで不安も多く、ちょっとした悩みを相談できる人が存在するか否かは、新入社員のストレスや不安の軽減に大きく寄与すると考えられる。新入社員は良き相談相手を望んでおり、現在、新入社員向けメンター制度を導入している企業数は多いとはいえないが、今後、制度を導入する企業が増加すると思われる。
4.長期雇用型で、実力主義を志向
「転職・独立志向」の5ヵ年推移を見ると、「定年まで勤めたい」が徐々に増加しており、就職氷河期の2004年と比べると9.4ポイント増加し、33.4%となっている(図10)。さらに転職・独立を志向する目的を聞いたところ、「やりがいのある仕事をやりたい」人は、4年前と比較すると約10ポイント低下している(図11)。一方、会社の魅力を「実力主義の会社」とする人は、ここ数年減少傾向にあったが、今年はやや増加に転じた(図12)。
企業内の実力主義を容認するものの、独立志向はやや減少傾向にあり、「実力主義=独立」とはならないようだ。就職した会社内で自らのキャリアを築いていきたい傾向がうかがえる。
5.ソフト面の充実が望まれる今後の大学
今年の新入社員(2007年度に卒業した大学生、院生の984人対象)に「大学への満足度」を聞いたところ、概ね高い満足度となった。特にPCなどの情報環境整備、図書館などの施設面では高いが、授業の魅力、学習サポートなどのソフト面ではやや低くなっている。その他の項目として「学生生活は全体として充実」「決定した就職先には満足」と9割が肯定的であった(図13)。
2004年国立大学の独立行政法人化に伴い、各大学は経営改革を推進してきた。さらに全入時代の今後は、特色ある大学になるためにも、授業、学習サポート、語学、キャリアサポートの充実が望まれている。その結果、卒業生の質の向上につながるものと思われる。
【本件に関するお問合せ先】
社団法人 日本能率協会
経営・人材本部 海老原、寺島 TEL:(03)3434−1955
経営戦略部 広報室 大和、丸田
TEL:(03)3434−8620/FAX:(03)3433−0269 / E-mail:Sonota@jma.or.jp