連載開始にあたって
はじめに
(2008年3月25日up)
製造業デジタル化
への機運
(2008年4月25日up)
デジタル情報が
現場を変えるか
(2008年5月26日up)
技能伝承、見える化
などの促進へ
(2008年6月26日up)
生産技術と製造現場
を支える3D CADへ
(2008年7月25日up)
<最終回>
3D データ軽量化
へのニーズ
(2008年9月1日up)
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ものづくりNext↑Web
ものづくり支援ポータルサイト
はじめに (2008年3月25日up)
日本経済の足元が揺らいでいる。2008年1月、大田経済財政相が「もはや日本は、経済は一流と呼ばれる状況ではない」と、国会で述べ話題となった。閣僚が経済の長期低落傾向を認めたのである。2006年の世界の総所得に占める日本の割合は24年ぶりに10%を割り、一人あたりGDP(国内総生産)は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で18位に低下したことがその論拠だ。また、海外においても、2008年2月の英エコノミスト誌のカバーストーリーでは、政治の貧困で、苦悶する日本が取り上げられている。”Japan”と“Pain”の入った「JAPAIN」がタイトルだ。バブル崩壊から20年近く経過し、いまだ、日本経済が痛みに苦しんでいるということを皮肉っている。

このような厳しい経済環境の中で、依然として、日本を牽引しているのが、製造業である。日本のGDPの二割を製造業が生み出し、輸出額に至っては、総輸出額のおよそ九割を製造業が稼ぐ。トヨタ、ホンダ、ソニー、パナソニック、キャノンといった名だたる企業が、高い品質と画期的な製品を武器にグローバルにブランド力を築いてきた。そして、日本のモノづくり産業の土台となっているのが、各社の製造現場であり、さらにそこに幾多の部品を供給している中小企業各社である。モノづくりという観点では、日本の優秀な製造現場が、競争力の高い製品を生み出す原動力となってきた。

しかし、モノづくりの現場にも、厳しい波がひたひたと押し寄せている。製品の高度化により設計は複雑化しており、これをいかに効率よく製造するかは大きな課題である。グローバルな生産分業による製造現場が分散しつつあり、各拠点をいかに迅速に立ち上げるか、そこでの品質をいかに確保するかは大きな課題である。また、少子高齢化による熟練作業者の不足、それにより引き起こされる製造現場への海外労働者の流入と、その労働者への教育など現場の抱える課題は多い。一方、設計の上流にはCADが導入され、3Dで設計するということは当たり前になりつつある。3D設計されたデジタル情報が設計上流から下流に流れ始め、モノづくり現場の仕事の手法を根底から変えようとしている。

本連載は、変革期にある日本の製造現場が、デジタル情報革命という荒波の中でどのように変化しようとしているのか、先進企業は成功に向かって、どのように対応しようとしているのかを解説する。
次号より以下のテーマで順次、掲載予定。
「製造業デジタル化への機運」
「先進事例紹介」など

先のエコノミスト誌の中には、「日本という国は、日本人に任せられないほど重要な国だ」というフレーズがある。日本にとって、最も重要な製造業は、日本人に任せてもらわなければならない。デジタル情報で製造現場を変革し、さらに日本のモノづくり産業を強化する、この目標の実現に本連載が貢献できれば幸いである。
→ 次回は4月にアップ予定
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