jma_shinnyusyain2013

jma_shinnyusyain2013 page 13/52

電子ブックを開く

このページは jma_shinnyusyain2013 の電子ブックに掲載されている13ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
jma_shinnyusyain2013

そこで、新入社員にキャリアへの過大な期待を抱くことの無意味さについても指摘したいとも考えた。JMAは昨今のキャリアデザイン偏重ともいえる風潮に敢えて一石を投じ、批判を受けることを承知で問題提起したい。学生から社会人への移行期に、多くの若者は「何がやりたい仕事なのか」「好きな仕事は」「自分の能力・特性は」「専門性を生かせるか」などとキャリアについて悩み、実社会の研究をする。こうしたことが、新入社員のモチベーションにつながり、意欲をもって仕事を覚えていく糧にもなり、一人前の社会人・職業人として成長してきたことは、これまでの多く諸先輩方の記憶にもあることだ。だが、いまの多くの就活生は、就職やキャリアに関する情報が氾濫する中で、これらの情報を処理できずにいると考える。実体験のない彼らがキャリアへの過大な期待を抱くのは当然ともいえる結果であり、何とかして企業が求めるキャリア観に適応しようと、キャリア指導やインターンシップなどによる指導を望むのも事実である。一部には、こうした指導や体験が奏功し、望んだとおりの職業に就いたものも多い。その一方で、「3年で3割が辞めていく」という実態は、厚労省の調査でもわかるように、この25年間に大きな変動はないのだ。強いていえば、いまの若者は、社会に出たら仕事はかくあるべきだ、キャリアはこう積んでいくべきだという、ステレオタイプに振り回されているのが実態であろう。こうした就業観を若者に植え付け、無言のプレッシャーを与え続けているのが大人世代ではないかという自戒も込めての問題提議である。このような時代、若者を育てていく大人世代にこそ、広く柔軟な視野をもつことが望まれよう。世界に目を転じてみれば、欧米のみならず、アジアの若い世代はアグレッシブに社会に出て行こうとしている。日本社会はこうした世界の動きに対応すべく次代の人材を育成していかなければならず、また企業人の教育・育成の一端を担うJMAも、現代の若者の意識と行動を把握していくことで、彼らの真の育成を提案していかなければならないと考える。■1990年代前半に生まれた若者たち■入社1年目とは仕事への期待と現実の狭間で思い悩むものだ。3年で3割が辞めていくと指摘したが、その離職者のうち約6割が1年目に辞めてしまう。であるがゆえに、この1年目のリテンションは極めて重要な経営課題であり、的確な指導が欠かせない。また、企業側にとって自社の人材戦略・方針にあった採用をしているのどうかという大きなハードルともいえよう。多くの若者が、期待と実体験がそぐわないとき、「ゲームをリセット」するが如く、あっさり会社を辞めてしまうことがある。これを、人材の流動性が活発になるとか、「第二新卒市場」が生まれると安易に肯定することには苦言を呈したい。2013年5月末現在、企業の業績が回復しはじめ、新卒内定率が一部上昇しているものの、雇用や賃金への影響は一部に留まっている。いまだ日本経済は待ったなしの状態のなかであることは言うまでもない。では、今年から社会人になった若者たちは、どういった時代を育ってきたのだろうか。大学卒であれば1991年、高卒であれば1994年生まれである。その彼らが、自分自身をどうとらえ、どういった意識の元で行動するに至ったか、意識構造を探り、それを踏まえたうえで企業側(受け入れの人事部や職場)の対応への視点も提示したい。また、意識や価値観の変容は、若者だけに限ったことではなく、組織を形成する現役世代の意識の変化も探らなければならない。この動向については世界価値観調査などのデータを踏まえ、日本社会、日本人の潮流もキャッチしていくこととした。本調査でも、新入社員データとの対照のために上司・先輩にも質問を試みた。ここで、参考として2010年に行われた世界価値観調査の一部を紹介しよう。これは東京大学と電通総研が行ったもので、多くの国民は生活や家計への満足度が低下しており、社会的に下方下落していく感覚をもっていると指摘している。なかでも、幸福感には大きな変化はないものの、生活満足度や家計満足度は大きく低下し、生活程度は「中調査から見えてきたこと11