ロゴ 第1回 香りデザイン東京

会期・会場

インタビュー記事

#01

色やイメージも香りに変換!
長年のノウハウを凝縮した香りのオーダーメイド

大洋香料株式会社

取締役 営業本部長 本社営業部長 兼 東京支店長 長谷川雅人様
研究所 香粧品開発・分析研究部 次長 兼 フレグランス研究室 室長 主任調香師 日垣浩一様
東京支店 香粧品課 課長 笈沼恒一様

創業以来、大洋香料は調香と開発を積み重ね、様々な香りの創造ニーズに応えてきた。香りの採取や分析、数千種類に及ぶ香料素材の調香、用途に合わせた素材の開発等、そのノウハウは多岐にわたる。「香りは選ぶだけではなくつくることができる」という同社。展示予定の商品と具体的な活用方法について伺った。

70年以上追求してきた香りの創造ノウハウ

―会社の沿革について教えてください

元々当社は香料を扱う会社として1947年に創業しました。事業は食品分野と香粧品分野と、大きく2つの分野があります。今回の展示会ではそのうち、化粧品や洗剤、芳香剤などに使われる香粧品分野の出展を予定しています。食事の美味しさも、空間の快適さも、香りが影響しています。事業を通じて快適で豊かな社会づくりに貢献していくことが、当社の役割だと思っています。

―具体的には何を出展する予定でしょうか?

何十種類もの香り見本と、芳香剤等にする際の各種素材を展示予定です。香料は液体、ゲル、粉末等の様々な形状の製品に用いられますが、当社はどの製品にも対応できます。特に油をゼリー状のゲルにできる油性ゲル剤は製法特許をとっており、透明度の高いきれいな形状でご提供できるのが強みです。水を主体としたゲルは温度が低いと固まってしまうことがあるのですが、このゲルは温度変化にも強く、極寒環境で固まることも、酷暑状態で溶けることもありません。

―形状も選べるのですね

使うシーンによって、液状か、スプレーか、ゼリー状のゲルか選ぶ必要がありますし、水溶性か油溶性にするかも用途次第です。たとえば液体ではこぼれる恐れがある場所には、ゲル状のものが適しています。温度や湿度が高い場所で水を使っていると、カビが発生する恐れがあります。元来、油性ゲル化剤は総合的に汎用性が高いのですが、更に当社の素材は透明度が高く、最後までにきれいに揮発します。その為、使用後に汚くなることもありませんし、素材の減る速度を調整することもできるのです。

-最終商品としてはどのようなものに使われていますか?

ヘアケア製品や化粧品、入浴剤、台所やトイレの洗剤、歯磨き製品やガム、家庭用及び車用の芳香剤、消臭剤など様々な商品にお使い頂いております。また、「異臭を消したい」「リラックスしたい」「気持ちを高揚させたい」といった要望に応じた調香も行っており、オーダーメイド開発にも力を入れています。最近では、ホテルを象徴する香り、企業ブランドを表す香りなど、個々のご要望に応じたオリジナル商品をつくるという機会が増えてきました。

イメージを表現する香りのオーダーメイドが可能に

―オーダーメイドとはどの様に行うのでしょうか?

元々天然香料から合成香料まで、数千種類以上に及ぶ香料素材を調香するノウハウがありますので、それを活かし、あらゆるオーダーに対応します。
たとえばあるホテルチェーンから、自社ホテルオリジナルのボディソープやシャンプーを開発したいとご相談を受けたことがあります。このような場合は、まずご要望とイメージするものを伺い、その香りを再現します。香りは出来合いのものから選ぶと思われている方も多いかもしれませんが、当社の考え方は「お客様と一緒につくっていくもの」です。ご要望や課題を伺い、分析・確認・ディスカッションを行いながらつくりあげていくのがオーダーメイドのスタイルです。他にも「青の洞窟をイメージした香りをつくってください」とご相談を受けたこともあり、その際には色のイメージを香りで表現しました。

―開発は時間を要しますか?

多くの場合は2週間から3週間でご対応させて頂いております。花や果実などの天然素材がテーマとなる場合には、まず現地に赴いて香気採取を行い、分析をもとに香料を作り上げて行くので、3ヵ月から半年程のお時間を頂く場合があります。前例として、「中国に咲いている花」や「紅葉の香り」「柑橘の花」などがありました。

―消臭も個別対応が可能でしょうか?

改善したい臭いは現場ごとに異なりますので、現地に赴いて悪臭採取をするところから始めます。次に分析結果をもとに一度「疑似悪臭」をつくります。そして、その疑似悪臭を消す消臭剤や香料を開発することで、各現場に最適な消臭剤をご提供することができるのです。このように当社なら「個別の事情を相談できる」ということを是非広く知って頂きたいです。
たとえばあるお店で、臭いが気になるので芳香剤を購入して置いたとします。しかし、臭いの問題は解決できないでしょう。何故ならば、好みの芳香を漂わせたいと思って芳香剤を置いていても、そこにはすでに別の気になる臭いが存在するからです。その為、好みの芳香を漂わせたいのであれば、まず臭いの元を取り除く必要があります。当社にご相談して頂ければ、一つ一つ問題を特定して解決し、快適な空間づくりのお手伝いをさせて頂きます。

香りという付加価値の可能性

―香りは今後どのように活用されていくのでしょうか?

付加価値としての香りの活用がもっと拡がっていくと思っています。現在ヨーロッパでは、車の購入オプションとして、メーカー独自の芳香剤を選べるようになっていたり、リピーター喚起のためにホテルオリジナルの香りをつくっている例を見聞きします。それは「メーカーやホテルとお客様の思い出・心を繋ぐ」という重要な役割の一部を「香り」が担っているからだと思います。たとえばキャラメルポップコーンの香りを嗅いだ際に、多くの方は映画館や遊園地等を想起させるのではないでしょうか。この様に、テーマパークや店舗等でも、香りの力で人を惹きつける様々な工夫がまだできるのではないかと考えています。

―展示会はどう活用する予定ですか?

今回はオーダーメイド型の香りの活用について、多くの方に伝えられるとても良い機会だと思っています。更に、今回販売担当だけではなく研究開発メンバーも展示会場に足を運んでおりますので、お客様の生の声や具体的なお話を少しでも多く伺い、そのニーズに応えられるよう製品開発に活用していきたいと考えています。

―来場者にメッセージをお願いします

フルーツでもワインでも、香りが最大の付加価値になっている例はたくさんあります。店舗や施設に入る瞬間の香りもその1つです。メーカー関連の方、施設・店舗・住空間に関わる方など、業界を問わず香りという付加価値を考えて頂く機会になればと思っています。
また当社では香りづくりのご相談に加え、デザインやパッケージの協力先もあり、最終商品までプロデュースいたします。香りづくりにご関心ある方は、是非お気軽にお立ち寄りください。