マネジメントに活かせる文脈「人ありきの経営」

 異色の経営者 川嶋謙氏(アスクラボ株式会社 CEO)× 知恵の箱編集人
 アスクラボCEOの川嶋謙氏がアスクラボメールマガジンとして発信されてきたコンテンツを、知恵の箱編集人の視点から、そのコンテンツの切直しを試みるコラボコンテンツです。
 人をいかすこと、数字を上げることなど「経営と人」について考えるきっかけを提供することを狙いとしています。
 川嶋氏は、「課題解決は全社員で」「仕事ありきではなく人ありき」「人を活かす」など人間の本質を考えながら、経営と製品開発、サービス提供を実行されている経営者のおひとりです。(知恵の箱編集人より)

北風と太陽(2008年10月6日配信)

北風と太陽が、どちらが強いか争いました。
そこで、旅人の上着を脱がせた方が強いということで決着をつけようと競いあいました。

北風は旅人に向かって力の限り風を吹きつけました。しかし、吹けば吹くほど旅人は上着をしっかり押さえつけて、上着を脱がせることはできませんでした。
次に、太陽は旅人に、さんさんと日を浴びせました。すると旅人はあまりの暑さに自ら上着を脱ぎました。

これはイソップ物語の「北風と太陽」という有名な話です。
多くの人が知っている話だと思いますが、ここには奥深い教訓が含まれています。

営業力強化の名目においてSFAを導入している企業のほとんどが、実績数値中心の管理を行い、数値達成できていない部分や不足している受注金額を指摘して、現場スタッフを叱咤するマネジメントを行っています。

そのような企業では、次のような例が多々あります。
管理者は現場スタッフに、事実を情報として入力するように指示していますが、現場スタッフはなかなか事実を入力しません。なぜなら、管理者の意図に反した内容が入力されている場合、「怒られる」、「叱咤される」、「責められる」という結果になるため、事実を隠し、つくろった情報を入力しているのです。

「組織として現場を支援する(助ける)」、「チームで問題を解決する」というマネジメントを行えば、現場も事実を記載します。

また事実を入力したことで、組織として現場を支援してもらい、チームで問題に対処することで「自分が助かる」、「悩みが少なくなる」、「孤独感がなくなる」ことが実感できれば、自ら進んで事実を入力することになります。会社としては「本当の事実」に基づいた、言い換えると市場のニーズにマッチした戦略を立てることができ、結果的に営業力がアップすると思います。

もちろん会社にとって数値を管理することは必須であり、多数のスタッフを抱えていますし、色々な性格のスタッフが存在しますので、叱咤激励のマネジメントも時と場合、スタッフのタイプによっては必要です。
しかし、数値管理や叱咤激励が強すぎては、市場の変化に組織が追従できなくなる危険性があります。

営業力強化は現場を管理するだけでは実現しません。
「北風と太陽」の例えのように、現場を支援することで「自らを動かす」という、「太陽のマネジメント」が重要なのです。

知恵の箱編集人から

川嶋氏が書かれているように、「現場はなかなか事実を入力しません」と同じようなことが、さまざまな現場で起こっているはずです。
北風のマネジメントから太陽のマネジメントへ切り替わった会社の実例をお聞きしたことがあります。“営業が受注してくるものの、現場でミスを犯し、改善サイクルに乗せることが無く、また同じミスを繰り返す。ミスは本社へ報告されることはなく、現場でその場しのぎの対応をする。結果その現場の仕事を失う。営業開拓しては、現場を失い、また開拓の連続で、全社員が疲弊”。
この負のサイクルを変えたのが、ミスを包み隠さずに報告し、全員で対策を考える太陽のマネジメントでした。いかにしたら顧客に良い仕事、喜ばれる仕事を提供するかに集中し、非難や叱咤を途絶させました。 そうしたところ、社員は自発的になり、職場は明るくなり、仕事の解約もなくなり、業績は向上しました。

アスクラボ株式会社

組織が待つ能力(組織力)を引き出し、営業力、提案力の向上と社内コニュニケーションの向上に結び付けることができるシステム「PROナビ」を開発、販売しています。また、川嶋氏自らの200社以上へのトップへの営業体験から作り上げた営業力を高めるための考え方、スキルを開示して、それらを普及ならびに指導なども行っている。
同社ホームページ:http://www.asclab.com/

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