マネジメントに活かせる文脈「人ありきの経営」

 異色の経営者 川嶋謙氏(アスクラボ株式会社 CEO)× 知恵の箱編集人
 アスクラボCEOの川嶋謙氏がアスクラボメールマガジンとして発信されてきたコンテンツを、知恵の箱編集人の視点から、そのコンテンツの切直しを試みるコラボコンテンツです。
 人をいかすこと、数字を上げることなど「経営と人」について考えるきっかけを提供することを狙いとしています。
 川嶋氏は、「課題解決は全社員で」「仕事ありきではなく人ありき」「人を活かす」など人間の本質を考えながら、経営と製品開発、サービス提供を実行されている経営者のおひとりです。(知恵の箱編集人より)

数字管理のみでは営業力は上がらない(2006年11月6日配信)

ほとんどの企業において数字の管理は行われていますが、数字は絶対的なものではなく、数字管理のみでは見えないものがたくさんあります。

※※※ 中略 ※※※
また、IT業界の大手企業へ営業改革のコンサルティングのため、その企業の支社・支店へヒアリングに行った際、相手企業の担当者の方が、売上実績表を持参され、説明を受けました。その売上実績表はSI、サポート、ネットワークなどにきれいに分類されて作成されていました。「これは実態をあらわしていますか?」と質問すると、「間違いなく事実です。」と担当者は答えます。ヒアリングの途中休憩で喫煙室に行ったおり、おそらく家電メーカと取引があるのでしょうが、冷蔵庫やテレビを何台販売しようというような文章が壁に貼られていたのを見たので、「冷蔵庫やテレビの販売は実績表のどこに分類されているのですか?」と聞くと、「実はネットワークの分類に入っています。」と答えました。おそらく分類ごとの達成率を会議で叱咤されるのでしょう。

別な例を挙げてみます。電気機器メーカでは決算の前になると、担当者が販売店をまわり「予算があといくら足らないので発注してください!」とお願いをしています。 また極端な例では、とりあえず注文をもらって、決算を過ぎた後にキャンセルをするというようなことも目にしました。

これらの例は「数字管理のみでは見えないもの」としての一部ですが、このような事例をいたるところで目にしています。企業の上層部が、数字、数字で現場を叱咤すれば、販売担当者は自分の保身もあり、前述のような対応策を立ててきます。このようなことを繰り返していれば、営業力が上がることはないし、現場のモチベーションは下がる一方です。

会社の発展・存続のためには 会社として、利益を上げるための予算を継続的に達成するためには、既存のユーザへの営業活動のみでなく、ユーザ自身が気付いていない課題を見つけて提案を行うことや、新規ユーザを獲得するための営業活動が会社として必須となります。このような営業活動は、実績として数字が上がるまでには時間がかかり、高付加価値な商品の提案ともなれば組織連携も必要になり、それなりの営業スキルが必要とされますが、会社の発展・存続のためには必ずしなければならない営業活動です。

これらを継続的・日常的に行うためには、すぐに数字にはならない営業活動や行動を「見える化」し、それを上層部が理解し、それを会社として評価できる仕組みを構築しなければなりません。なぜなら、評価されないことに誰も工数を費やさないからです。現場を管理し、会議で叱咤激励するための営業支援システムでは、現場で継続的に使わないのは当然です。これは、SFAを導入したが稼動していないという場合の最多の理由だと思います。

営業強化システム「PROナビ」は、現場への恩恵を優先的に考え、数字のみでなくマネジメントや組織連携、将来のための行動の「見える化」を目指した全社的営業強化システムです。言いかえると「本当に努力している人が損をしないシステム」と言えるかもしれません。

知恵の箱編集人の一言

 営業マンに数字目標を持たせて、営業数字の達成を管理する企業は多い。数字達成を管理すること自体が悪いことではないが、営業があげてくる成約は、その営業マン1人の活動で成約が達成したのだろうか。そうではないはずである。しかしながら、担当する営業マン1人に数字達成の責任があるようにしてしまっている。
ご存知の方も多いと思うが、ネッツトヨタ南国では、自分の担当顧客でなくとも成約まで対応することがあるという。そしてその成約数字は、元来の営業マンの数字となる。持ちつ持たれつ、おかげさまでという考え方で仕事は成り立っているという。
 評価することは必要ではあるが、組織が持つ総力で本来は業績を上げているはずだが、評価になると個人になってしまうことが多いのだろうか。
日本企業の強さはチーム力であると指摘する経営者が多い。ならばチーム力を引き出す仕掛けを経営に持ち込むことが、業績向上に近づく最善の方法ではないだろうか。

アスクラボ株式会社

組織が待つ能力(組織力)を引き出し、営業力、提案力の向上と社内コニュニケーションの向上に結び付けることができるシステム「PROナビ」を開発、販売しています。また、川嶋氏自らの200社以上へのトップへの営業体験から作り上げた営業力を高めるための考え方、スキルを開示して、それらを普及ならびに指導なども行っている。
同社ホームページ:http://www.asclab.com/

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