医療・福祉施設のための設備・機器の総合展示会

出展者インタビュー

株式会社日本シューターInterview

石山 敏彦 氏

病院の物流を根本から変えていく

貴社と村田機械グループの事業概要、並びに貴社の病院・医療施設部門について教えてください。

当社は気送管を活用した病院内の自動搬送設備メーカーとして1952年に創業し、今年で70周年を迎えます。2003年に村田機械株式会社の関連会社となり、来年で20周年となります。3~4年前に海外のとある国で、病院を自動化する計画が進んでいたことから、我々にも参加のチャンスがあると考えました。村田機械のL&A事業と当社の搬送システム事業には共有できる部分があることから、一緒になって病院向けの事業を進めるため3年前に両事業部を連結させました。一般物流を幅広く手掛けてきた村田機械と当社の搬送技術とで良い相乗効果を産み出し、病院の物流を根本から変えていきたいと考えています。

村田機械はハードメーカーですが、ハードを動かすために必要となるソフト開発を担当するグループ会社としてムラタシステム株式会社があります。村田機械が手がけるロジスティクスオートメーション、ファクトリオートメーション事業において、製造・流通・医療などの分野で最適なロジスティックスソリューションを担う、情報技術と物流技術を核としたソフトウェアを開発しています。一般物流の総合管理システムや制御システムなどを多く手がけています。こうした一般物流の世界で培ったデータを活用した搬送技術は病院にも応用が可能です。
病院へソフトウェアに関するご相談や打ち合わせに伺うことがあります。お話を伺う中で浮かび上がってきた課題点として、物品管理を例に挙げると、各部門がそれぞれでデータを管理し連携されてないケースや、入荷した物品にコードを貼って読み上げをして確認をするケースなどが見受けられるなど無駄な作業が多く現場の負担になっていると感じます。各部門がバラバラに動いて、それぞれが課題を抱えている状態です。一般の物流では当たり前ですが、我々に必要なデータを預けていただき搬送も任せていただければ入力の手間などから解放され、問題を簡単に解決することができます。とは言え、病院にはそれぞれ歴史がありなかなか変えることは難しい。そこで、まずは既に病院で稼働しているソフトウェアを活用し、搬送システムを自動化し、なおかつ邪魔にならないようトータルで物品が管理できるシステムの開発を進めることにしました。

昨年展示会風景1 引用元:日本シューター

「Smart Hospital」の実現に向け「MoCS」をキーデバイスに活用

昨年、新製品を発表されましたが、改めて新製品についての概要と、貴社が目指している姿について教えてください。

我々は課題解決に向け、「スマートホスピタル構想」を打ち立て、その実現に向けた足掛かりとして村田機械と当社が共同開発した病院向けロボット台車搬送システムMoving Cart System「MoCS(モックス:専用カート自動積載式搬送ロボット」を発売しました。同時にMoCSを活用した、病院内物品保管・搬送システムのトータルソリューション「Smart Hospital」を発表しました。
Smart Hospitalとは、病院を自動化し各フロアに無人車を使用して配送するコンセプトです。Smart Hospitalの核となるシステムを「Hospital transport management system(=HTMS、院内搬送管理システム)」と名付けました。HTMSが院内の様々なシステムと連携し、正確にかつ各部門に最適な院内搬送を実現します。MoCSはSmart Hospitalを実現するためのキーデバイスとして位置付けています。
HTMSによる、在庫管理、薬剤搬送管理、手術器材搬送管理、検体搬送管理、トレーサビリティ管理、洗浄管理、セット組み支援、滅菌管理、搬送機器制御により、手術器材供給/回収、院内処方箋配給/回収、医療材料の補充、検体回収、給食配給、リネン・ゴミ回収の自動化を実現します。病院の地下に配置した物流センターで、物品の配給、加工、保管、搬送を統合したロジスティックシステムで病院機能を支え、必要な物品はMoCSが専用エレベーターや通路を通り、各病棟の中央に位置する配給部を介してロボット搬送します。これにより、今まで医療従事者が行っていた搬送業務を大幅に減らし、本来業務に専念することが可能になります。

MoCSはムービングユニットとカートユニットを組み合わせた自律走行式の搬送ロボット台車システムです。ムービングユニットは、安全性に配慮し走行中に人や障害物を検知すると停止し、人がいる場所での運用も可能です。ムービングユニット、カートユニットの両方に接触センサーを搭載し、高い安全性を実現しています。
カートユニットは、検体、薬剤、診療材料、リネン、給食、廃棄物、手術器材それぞれの搬送物に合わせて設計しました。利用目的によって上のカートユニットを変えることができるのでトータルの台数を減らすことができます。
将来的には、病院の設計段階から我々の意見を取り入れていただきSmart Hospitalを実現していきたいと考えています。そのためには、まず始めに導入しやすいMoCSの展開から進めていきます。既存の病院にMoCSを導入する際、専用エレベーターや通路の確保が難しいケースでも、MoCSは人と同じ通路やエレベーターを使って目的地へ行くことが可能です。また、既に様々なメーカーのカートを導入されている場合は、既存のカートを改造しMoCSに載せて自動化することも考えています。今年のHOSPEX Japan2022では、既存のカートを改造し、外側に接触センサーを付け運用するなどの実演を行う予定です。
口頭の説明だけではなかなかイメージが掴めない場合は、無償で3ヵ月間お貸し出しして実際にご利用いただきながら、使用用途を広げていただけるような取組みも始めようと検討しています。

昨年展示会風景2 引用元:日本シューター

薬剤、検体、手術室部門への導入相談が増

昨年、HOSPEX Japan2021に出展され、実際のソリューションを再現されておりました。どのような反響がありましたか?

出展後、15件のお問い合わせをいただきました。薬剤、検体、手術室に関してのご相談が多いです。具体的なご相談に入っているのが10件あります。このうち1ヵ所は大学病院で、すでに設置が終わっています。こちらは洗浄・滅菌工程で自動化を導入され、将来的には手術室の自動搬送を視野にいれて整備されました。

物流面で病院が抱える課題解決をサポート

次回のHOSPEX Japan2022に向けて、ご来場者や医療業界へメッセージがありましたらお聞かせください。

一般の物流で活かされていることをぜひ病院でも取り入れていただきたいです。一般の会社では、各自の情報システムを変えていかなければ、管理体制が成り立たなくなりつつあります。また、マテハン業界の2025年問題として、働き方改革関連法に基づきトラックドライバーの時間外労働の上限規制が2024年から適用されることを受け、対策のお手伝いが必要とされています。病院も同様、医師の働き方改革が進み、勤務環境が変わっていく時だと思います。病院内の情報をシームレスに繋ぎ、記入作業などのインプットの手間を減らすことなどで医療従事者の業務軽減ができます。我々は物流面で病院が抱える課題解決のお手伝いをさせていただく―という気持ちで向き合います。導入しやすい部分から広げていっていただければと思います。

昨年展示会風景3 引用元:日本シューター
株式会社日本シューター
代表取締役社長
石山 敏彦 氏
石山 敏彦 氏

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